深い思考を促す公民の問い

公民科・現代社会の問題です。択一式で,ICEモデルでいうと基本的にはIレベルですが,現代社会や政治・経済の教科書で図示されている刑事裁判の流れについて,文章の中で思考・判断させるものにしてあります。 磯野波平の子供
[考え方]

(1)は「起訴」からウ.検察官が正解です。広義の検察官には検察事務官も含まれますので,もしも「検事」という選択肢があればそちらが正解となりますが,高等学校での学習内容としては「警察官や(裁判所)書記官でなく検察官」を選べば正解です。

(2)は「(ひき逃げ)」がヒントとなってア.道路交通法が選べます。

(3)は,第一審の判決を受け入れたことが文章から読み取れます。第一審判決について上訴しなかったのだからア.控訴が正解。

(4)は,判決確定後に収監される場所としてエ.刑務所が正解。ア.拘置所は,判決確定前の者が収容される場所で,本来は拘置所に収容されるべきものが警察署内に留置されて取調べを受ける「代用監獄制度」の問題が以前から指摘されてきました。

 教科書には,逮捕から送検までの時間や,送検から起訴までの日数なども載っており,それらも出題することもできます。しかし,単に数値を問うだけでなく,そもそも何のためにそのような時間・日数が定められているのかを,歴史的背景も含めて問うほうが,レベルの高い問いになります。

※リード文に凝っても結局は教科書にゴシック体で載っている語句を聞くような,作成者の自己満足のような問題だったかもしれません。むしろ,一見手抜きのようなシンプルな問題に見えて実は深く思考させる問題というのもあるはずです。 「公民の作例 1」以降のページでは,さらに思考・表現させる問題の例を見ていきます。