深い思考を促す地理の問い
今回は,気温の基礎知識をもとに考えさせる問題です。
Iレベルの問題例
「海洋と陸とでは,どちらが比熱が大きいですか。」 (解答例:海洋)
「気温の年較差について説明しなさい。」 (解答例:最暖月と最寒月の平均気温の差)
どちらが比熱が大きいかというのは,知識としてはあっていいわけですが,「比熱が大きい」ということが,「温まりやすく冷めやすい」のか,それとも「温まりにくく冷めにくい」のかがわかっていないと,ただの機械的暗記で終わってしまいます。また,「比熱」の意味や,数値を問題にしてしまうと,地理の問題としては適当とはいえなくなるでしょう。
海洋と陸の比熱の違いから,大陸内部は同緯度の沿岸部にくらべ夏に高温・冬に低温となる。このため,等温線が大陸内部で高緯度側に寄っているイが7月(北半球の夏)の等温線だと判断できる。
※イの等温線は大陸西岸よりも東岸でやや高緯度側に寄っています。気温の年較差が大きいのはどんな場合か,という基本的知識を組合わせることでさまざまな問題に対応できます。大陸を横断する等温線の問題はよく出題されます。
Eレベルにするならば,たとえば「1月の10℃の等温線を示して,7月の20℃の等温線をかかせ,そう考えた理由を説明させる。」というのはどうでしょうか。