深い思考を促す地理の問い

会話文
会話文を用いる意義は,日常生活でそのテーマが話題となっている場面を設定することによって「考える意味のある真正の課題である」というメッセージを発することです。問い自体は,基本的知識を問うIレベルのものが多くなりますが,知識を組合わせて深く思考させる内容を盛り込むこともできます。

 次の会話文は地球の姿についての基本を話題にしたものですが,「ナカジマ」の発言にある「アフリカでは,海岸沿いの平地に港や大きな都市が発達する場所が限られている」という事実は,アフリカの経済発展における阻害要因の一つであると言えます。また,「イソノ」の最後の発言にある「南半球には気候区分(14:亜寒帯)がないのはどうしてかしら。」という疑問も,世界地図を見ながら考えさせたい問いです。

次は地形図の基本に関する会話文です。距離は縮尺に比例し,面積は縮尺の二乗に比例することは基本です。試験問題では実物の地形図を用いて工場やゴルフ場などの面積を計算させることが行われます。

最後も地形図を素材にした会話文ですが,これは大学のキャンパスを訪ねる設定としたことで高校生の進路意識を刺激する内容としてあります。方眼をかけて大体の面積を計算させることと,単位も通常使う平方キロメートルでなくあえてヘクタールで答えさせました。傾斜も計算させていますが,等高線ないし三角点・水準点の読み取りやすい地形図である必要があります。

※「センター試験にノビタやスネオが登場したことがあるよ」というと,多くの生徒が驚きますが,実際に,現代社会の問題に登場したことがあります。私は「イソノとナカジマ」(サザエさん)や「ノビタとスネオ」(ドラえもん)をよく登場させました。SMAP,特に中居君を毎回登場させている同僚もいました。