深い思考を促す教科横断の問い(公民×英語)

公民(現代社会)の学習内容として,西洋庭園と日本の寺院の庭の違いや多神教・一神教の違いなどはよく取り上げられる内容です。国語(現代文)の教材として取り上げられる場合もあるでしょう。英語と日本語のことわざを用いた文化比較,たとえば「神」についてのとらえ方の違いを考察させることは,教科横断的な思考の方法として有効です。
 次の問題はCレベルの例です。
英語と日本語のことわざ比較

※試験問題として出題する場合,論述の視点をあらかじめ指示する方法もありますが,答えを誘導することにもなります。採点基準との関係で悩ましいところですが,採点基準そのものでなくルーブリックをあらかじめ示しておくことも考えられます。

※単語を補うだけならIレベルですが,表面的な語句だけでなく,背景にある考え方に目を向けるのがCレベルのポイントです。たとえば「Godと神の違い」「Godの代名詞はheだが,神には性別がないのか」「God(神)と人間の関係」などについて思考することができるでしょう。

※英語と日本語のことわざを調べたうえで,そのニュアンスの違いや,同じことわざでもアメリカとイギリスとで意味が異なる場合があることなども,比較文化論として面白いものになり,Eレベルの問題にもできそうです。 上のような英語の扱いならば公民と英語のどちらにも偏らない教科横断的な問いですが,長めの英文を提示すると,英語寄りになります。逆に日本語の説明だけならば,これまでの現代社会が学習でもよく扱われてきました。