深い思考を促す教科横断の問い(総合)

案内表示のローマ字表記

国会前交差点


 訪日外国人数は日本人出国者にくらべ3分の1しかいない----と言われたのは,昔の話。いまや訪日外国人の数は年に数百万人!の規模で増加していて,2015年にはとうとう,日本人出国者数を上回りました。もっと外国人に分かりやすい案内が必要なのは確かです。つい最近では,地図表現(ローマ字表記や地図記号)を変更する動きも報道されました。東京オリンピックを前に,道路標識の変更も検討されています。
 次の表は,日本語の読みのローマ字表記から英語表記に変更されている例を示したものです。ダイエットが議会のことと分かるのか,とか,ブールバールは英語なのか,とか,山や川の名称を一律にマウンテンやリバーと訳すのが適当なのか等々,いくらでも突っ込みどころはあります。ローマ字表記については,ヘボン式と訓令式(日本式)のいずれを主とするかの主義・主張もいろいろあります。それ自体が,日本人のアイデンティティに関わることだからでしょう。
 どちらをとるにしても必ず例外は生じています。上述の国土地理院の報告書では,報道で取り上げられた地図記号に先立ってローマ字表記についての詳しい検討経過が紹介されています。
事項 過去 現在
国会前 Kokkai The National Diet
多摩川 Tamagawa river Tama river
平和大通り Heiwa-Oodori ave. Peace Boulevard

Cレベル

訪日外国人の増加が日本にもたらしている影響について考察する。
日本語のローマ字表記(例:Kokkai)と英語表記(例:The National Diet)のいずれが適切なのかを考察する。
日本の街を外国人に分かりやすくするためには何が必要かを考える。
 

Eレベル

日本におけるローマ字表記になぜ「ヘボン式」と「訓令式」とがあるのかを考察する。
広島を訪れる外国人はなぜ欧米からが多く中国・韓国からは少ないのかを考察する。
日本への移民受け入れの可能性について考察する。