深い思考を促す地理の問い

駐車場から考える

 地図にさまざまな情報を重ねるGIS(地理情報システム)の活用が広がっています。防災,カーナビ,雨雲レーダーなど,スマートフォンの普及とあいまって,生活に欠かせないものとなりました。ここでは,駐車場の分布をもとに考えさせます。
 この地図は,広島市中心部を表したもので,地図上のA,Bはコインパーキング(時間ぎめ駐車場)です。なお,この地図は,フリーの地理情報データ作成プロジェクトであるOpenStreetMapを利用しています。
広島市中心部
Iレベル
・地図上に駐車場を表しなさい。
・各駐車上の料金をグラフで表しなさい。
※駐車料金は15分や60分のように一定の時間ごとに課金されるので,携帯電話料金のような1分ごとの課金とは異なったグラフとなります。

Cレベル
・A地点の駐車場は,この付近で最も高額な料金(昼間15分あたり400円,定額料金なし)を設定している。どのような利用を想定しているか考察しなさい。
・B地点の駐車場は,平日と休日とで料金体系を大きく変えている。(平日昼間10分100円,休日昼間30分150円。)このような料金設定をしている理由を考察しなさい。

Eレベル
・同料金の駐車場で差別化する方法を考えなさい。
・A地点の場所を駐車場以外の用途で活用する方法を提案しなさい。
※他の都市の中心市街地における駐車場分布と比較することで,都市構造の違いやバブル経済の痕跡が見えてくることもあるでしょう。