ICEモデルとは

定義
 ICE(アイス)モデルとは,カナダで開発・実践されてきた評価モデルで,IはIdeas(基礎知識),CはConnections(つながり),EはExtensions(応用)を意味します。問いに対してどのように答えるかによって,I,C,Eのどの段階にいるかを評価する視点です。I,C,Eの段階に達しているかどうかを評価するための問いは,それぞれ異なるとも言えますが,一つの問いに対しさまざまなレベルで答えることのできるような問いができれば,より望ましいでしょう。
関連サイト
 「主体的学び」につなげる評価と学習方法:カナダで実践されるICEモデル(東信堂)
国立国会図書館の蔵書サーチ

日本私立大学協会「アルカディア学報」コラム
土持ゲーリー法一氏のコラム。土持氏は日本におけるICEモデル普及の第一人者。ICEモデルの各レベルに到達させるために的確な動詞を使用させることに注目している。 土持氏の講演・インタビューからさらに2つ紹介します。  東京理科大学教育開発センター主催の講演会  IKUEI NEWS編集部インタビュー   

ICE model
カナダのクイーンズ大学医学部のICEモデルはわかりやすい。これが評価されているのか,日本でも,看護系や福祉系学部でICEモデル,ルーブリックが多く見られる。

Using ICE to improve student learning - Queen's University
ICEモデルの提唱者であるカナダ・クイーンズ大学スー・F・ヤング氏の論文。

アクティブラーニング
広島県立安芸高等学校のホームページ。ICEモデルの各段階の問いの種類と,学びの深まりとの関係が表で示されている。

広島県教育資料 第2章 授業改善の推進 2 「主体的な学び」の創造 4 「課題発見・解決学習」の考え方 (2)「課題発見・解決学習」の質的高まり
p91 ICEモデルのICEそれぞれの段階の学習の質,学びの深さを図示している。
p95 話合いのきっかけとなる質問の例を示している。


平成28年度全国学力・学習状況調査
国立教育政策研究所のサイト。この調査でA問題・B問題とあるうちのB問題が,概ねICEモデルのCレベルに相当するといえる。

大学入学共通テストモデル問題
2017年5月,7月に大学入試センターが公表したもの。5月は記述式,7月はマークシート式。

※ICEモデルの各段階の典型的な問いは,次のようなものです。
I・・・「これは何ですか(どこですか)」
C・・・「それはなぜですか」 「簡単に言うとどういうことですか」
E・・・「あなたならどうしますか」 「このことの意味は何ですか」
※ICEモデルでいうところのIの段階の知識・理解を確実にしたうえで,C段階,さらにはEの段階を問う試験問題が求められています。大学入試センター試験に替わる新テストも,CやEの程度を問うものを目指すとされ,コンピューターで採点する記述式の導入も検討されていると言われます。1点差で合否を判定しないためにゾーン別の成績表示も検討されているそうですが,受験生の理解は得られるか?    思考力を問う問題とは具体的にどんなものなのか