コンピテンシーとは

定義 PISAを実施しているOECDは,教育の成果と影響を分析する上で各国共通となるような「能力の定義」を作成し,「キー・コンピテンシー」として3つに分類しました。具体的内容としては「知識や情報や言語を活用する能力」「他人と円滑に人間関係を構築する能力」「計画を作り実行する能力」などがあります。( 中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会(第27回(第3期第13回))資料をもとに作成)
 
関連サイト
教育における”コンピテンシー”について
旺文社 教育情報センターによる。「どうなる!? 次期「学習指導要領」の枠組み」と題して,コンピテンシーに基づく教育改革についてわかりやすくまとめている。

世界の教育の潮流「新しい能力」とは~松下佳代氏に聞く
「eduview」による京都大学・松下佳代氏へのインタビュー記事。日本労働研究雑誌2011年9月号掲載の松下氏の論文は<新しい能力>による教育の変容 -DeSeCoキー・コンピテンシーとPISAリテラシーの検討

キー・コンピテンシーの核となる「考える力」を育む
教育zineのコラム。神戸学院大学・立田慶裕氏による。3つのキーコンピテンシーの関係をわかりやすく図示している。

OECDコンピテンシー概念の分析と一面的「PISA型学力」の問題点
和光大学現代人間学部紀要第3号(2010年3月)奈良勝行氏による。コンピテンシー概念の歴史や,PISAにおいて高成績が知られるフィンランドの教育の分析から,日本の子どもの学力について考察している。

キー・コンピテンシーの概念を取り入れた社会科学習-国民の司法参加「最高裁判所裁判官を審査する」の授業実践-
水谷哲郎氏による。キー・コンピテンシーの3つのカテゴリーを社会科学習に取り入れた滋賀大学附属中学校における授業実践。知識や技能が活用された姿とはどんなものか,また,最高裁判所裁判官国民審査の分析や改善策提言もある。

主要能力(キーコンピテンシー)を向上させる「課題研究」への取り組み
添田修氏による。商業科における課題研究の取組事例が紹介されている。実教出版のサイト。

コンピテンシ基準を用いたルーブリック
山田哲也氏による。好成績生徒へのインタビューをもとにしたコンピテンシーモデルの作成や,自己評価ルーブリックについて紹介している。実教出版のサイト。

未来志向の学力観・学習観と教師の指導力 -learnからstudyへ-
常葉大学・安藤雅之氏による。「キー・コンピテンシー」「21世紀型能力」に着目して学力観・学習観を考察している。日英教育研究フォーラム19号。

※コンピテンシーは抽象的な能力を指すので,じっとしていては目に見えません(じっとしている能力,というのであれば別ですが。)そこで,その能力を目に見える形で発揮させるのがパフォーマンス課題です。学校の科目で言えば体育実技,試験で言えば公務員試験や簿記検定の問題演習などは,何をすればどんな能力が高いのかが明確に分かるので,ルーブリックをつくるのは比較的容易でしょう(量的ルーブリックであればなおさら。)
 しかし思考力・判断力などを的確に(評価者と被評価者とがともに納得するように)評価するためには,抽象的なコンピテンシーと具体的な活動とのつながりを説明することが求められることになりますが,これは高校教員にとってはなかなか大変なことです。それでも,目の前の生徒の状況を把握し理解しようとすることは大切であり,学校が異なれば育てるコンピテンシーが異なることや,同じ学校でも生徒が入れ替われば求められるコンピテンシーも変化していく可能性なども認識する必要があります。
コンピテンシーとパフォーマンス評価の関係