2016センター試験地理B分析(速報)
出題の難易度
・昨年と同程度の,やや難しめの問題だった。思考させる良問も多いが,単純な知識を問う苦し紛れと思われる出題も数問あった。極端に易しい問題と,判断に迷う問題との開きが大きくなったように思われる。第1問 世界の自然環境と自然災害
問1は地震の震源分布を震源の深さを示した図が目新しく,やや難。問5は,南アメリカの風向と降水量から1月又は7月のいずれかを判断させるもので,降水量は易しいが風向はやや難。
問6は,水資源賦存量という聞きなれないデータをもとに判断させるもので,脚注に説明があるとはいえ難。
第2問 世界の工業
問1,問2は工業地域,工業立地の基本で易。問6は日本のアニメなどのコンテンツ産業が取り上げられた。易。
第3問 都市・村落と生活文化
問1はラテンアメリカの都市人口率の高さという,基本中の基本ですぐ解ける問題で易。問2は特定の機能が発達した都市についての説明文から選ばせるものだが,易しい上に知識型。出題者としては苦しい出題だろう。
問3は人口約40万人の日本のある都市の人口密度,農業・林業就業者人口,老年人口割合を示した図を選ばせるもの。示された都市は愛知県の一宮市だが,もちろん愛知県民でなくても解ける。良問。
第4問 ヨーロッパの地誌
問3はEUの農業に関するものだがやや難。問4は,ヨーロッパのいくつかの国における自国民と外国人の失業率を示した図から国を選ばせるもの。難。
問5は,イタリア,ドイツ,ベルギーの国内における地域間経済格差についての問で,易しすぎ。
第5問 インドと南アフリカの地誌
問1 は,インドと南アフリカ共和国の自然環境と農業の特徴を問うもので,インドはともかく,南アフリカ国内の農業地域区分はやや難。第6問 岩手県北上市周辺の地域調査
問2は,日本史との教科横断的な内容の会話文を用いたもので面白い。問4は製造品出荷額の順位の推移を問うものでやや難。
問6は地図表現の方法について問う基本的な問題で易。